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日刊ハレ Ver2.11

2016年、更新再開です。好きな漫画、特撮、音楽の感想など、無名人の趣味と駄文の遊び場です。

浜崎あゆみ『SURREAL』  

浜崎あゆみ『SURREAL』

2011/12/09 03:03


彼女は必ず自分で作詞することに拘り、
現在に至るまで頑なに貫き通している。

歌手が自分の歌を自分で紡ぐこと、
それはごく自然なことだけれども、
自分の言葉を自分で綴ることから、
自分と聴き手の血となり肉となる、
彼女はそこにこそ拘るのだと思う。

事実、彼女の歌詞は決して優しいだけではない。
時には、夢や綺麗事で済まさない残酷さである。
冷たく儚くて脆くもあるし、そして時には痛い。

これだけの国民的歌手が、
何もあれだけの歌詞まで、
書かなくても……などと、
そう思うほど強烈で鮮烈。

しかし彼女が書く歌詞は、
あの彼女が歌う楽曲とは、
だからこそ支持されたし、
だからこそ共感もされた。

即ち、彼女の歌詞の拘りの一つとはリアルだと思う。
事実、一枚目のアルバムの歌詞を手にした人ならば、
それぞれの楽曲、それぞれのページのあの言葉たち、
そこにも彼女からのシグナル、ヒントを感じたはず。

彼女は歌詞を書く。
『どうしようもない現実』
『当たり前すぎる言と歌』

彼女はそして歌う。
そんな現実たちを。

実はそんな歌こそ、
『実りあるリアルな真実』
そうは言えないか。
上辺や建前と違い、
あまりにも痛い歌。

だからこそ、その先へと。
愛と憎しみは、表裏一体。
自由と責任は、ワンペア。
痛みの先、そこを越える。
その先には在る、可能性。

彼女の歌詞と歌の説得力は、
ただ耳障りの良い言葉だけ、
ただ並べて手を差し伸べる、
そんな歌詞の先にある真実、
そんな歌詞を超越した現実。
そこではないかと私は思う。

そこで『SURREAL』である。

彼女は曲名も必ず自分で命名することに拘る。
この楽曲も曲名からして強い力が感じられる。

直訳すれば『超現実』。

それをどう解釈、意訳するのかは聴き手次第だろうが、
一つ間違いなく言えることは、彼女の価値観の美しさ。

好きなモノだけを 選んでくのが
無責任だってワケじゃない

まず彼女はこう切り出す。
こちらで共感や安心した、
聴き手も多いであろうが、

好きなモノさえも見つけられずに
責任なんて取りようもない

ここで一転して絶句した、
思わず声を上げた聴き手、
また多いのではないかと。

そして更に痛切な続きが。

いらないモノならその同情心
まるで役に立たないね

それまでの文脈を継ぐも、
それまでの文脈さえ破壊。
正にそんな驚愕の展開だ。
もう突き放すかのような、
この目まぐるしさこそが、
彼女のリアルな言だろう。
決して聴き手に甘くない。
寧ろ残酷ですらある歌詞。

その歌詞は更に追い討ち。

大事なモノならそこに必ず
痛み伴うはずだよね


ひとりぼっちで感じる孤独より
ふたりでいても感じる孤独のほうが
辛い事のように


浜崎あゆみという歌手は、
ここまで歌にする歌手だ。
そして聴き手にシグナル。


どんなに孤独が訪れようと
どんな痛みを受けようと
感覚だけは閉ざしちゃいけない
たとえ言葉を失くしても
いくらどうでもいいなんて言ったって
道につまづけば両手付いてる守ってる
そんなモノだから

浜崎あゆみが紡ぐ歌とは、
現実のそんなモノなのだ。
決して美しくなく泥臭い。
だが決して逃げはしない。
現実がどうであろうとも、
感覚だけは閉ざさず闘う。
だからこそ感じるモノや、
聴こえるモノがあるはず。


そして彼女は最後に紡ぐ。


私は私のままで立ってるよ
ねえ君は君のままでいてね
そのままの君でいて欲しい

私は私のままで立ってるよ
ねえ君は君のままでいてね
いつまでも君でいて欲しい


彼女は変わらないままだ。
自分は自分のままなのだ。
その上で相手に対しても、
聴き手に対しても同じく、
そのままでいて欲しいと。
この現実でそのままにと。
どうしようもない現実で。


では、彼女はどこに立っているのであろうか?
それを紐解く鍵こそ、曲名じゃないだろうか。
これこそが、本作の超現実じゃないだろうか。


浜崎あゆみはこう歌っている。


どこにもない場所で


どこにもない場所ってどこか?
これ自体がパラドックスだが、
実はこれこそ答えじゃないか。
これこそが超現実じゃないか。


どこにもない場所


浜崎あゆみはどこにもいない?

浜崎あゆみの歌を聴いてみろ。


NO WHERE PLACE


NOW HERE PLACE


浜崎あゆみは常に現実に在る。

浜崎あゆみは今もここにいる。
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