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日刊ハレ Ver2.11

2016年、更新再開です。好きな漫画、特撮、音楽の感想など、無名人の趣味と駄文の遊び場です。

『不能犯』第13話 強い男  

毎月第1・第3水曜日に刊行される『グランドジャンプ』で連載中です。
本作は、第1水曜発売号に掲載される月イチ連載の作品です。

本作は一話完結のお話が殆どですので、
最近知った方も、どこからでもすぐに入り込めますから、興味がある方はご一読を。
興味がある方は、本誌公式サイトや、グランドジャンプ本誌をどうぞ。

コミックス第1巻も絶賛発売中で、第2巻刊行に向けて先生も作業されています。
そちらをご覧になるのが一番わかりやすいでしょうね。

以下は今回の内容に触れた感想です。未読の方は、ご注意を。



集英社『グランドジャンプ』で大絶賛月イチ連載中!
驚愕のサイコサスペンス! 今、最も恐るべき真実。


その赤き瞳は総てを飲み込み、視界の総てに狂喜する。
依頼人と赤き瞳が交わった時、世界が狂気へと染まる。

抉り出されるのは、欲望か、絶望か、あなたの真実か。



原作:宮月 新
作画:神崎裕也


 能  impossibility defence

13話 強い男


■今回の事件

勇人(ゆうと)くんは、子供の頃はいじめられっ子でした。
そんな彼をいつも助けてくれたのが理沙姉ぇこと園田理沙ちゃん。

弱虫の彼と彼女の関係は大きくなっても相変わらず。

そして……。

彼は、目撃してしまったのです。

教師に服を脱がされ、弄ばれる彼女の姿を。

彼は決意しました。
『不能犯』に、宇相吹正に、教師の藤沢を殺してほしいと……。



今回も『男と女』に纏わる物語でありながら、前回とは全く異なる作劇です。

そこが実に秀逸です。

毎度ながら、宮月新先生の構成、リーダビリティーには唸らされるばかりです。

男と女。殺す方と殺される方。

その関係性や動機など、前回とは表裏と言っても良い構造で、これも巧いですね。

そして、勿論そこだけに留まらず、いつもの如くどんでん返しもあります。



ある意味、今回は勇人くんも理沙姉ぇも、
「お互いがお互いに隠し事をしていた」訳で、
更に、今回のサブタイトルを鑑みると実に味わい深いです。

藤沢先生も、勇人くんも、『強い男』ではありませんでした。

勇人くんの怒り、妬み、復讐心だけは尋常ならざる強さだったとは言えますが。



「僕は仕事においてルールは絶対変えない」という宇相吹のスタンス。

これについても以前から散々触れてきたことです。
今回は、特にそれが最後まで強く響いた回でした。

そう、宇相吹は『人間』に対してとことんドライなんですよね。

決して、金なんかじゃ左右されないし、
まして人情などに微塵も揺らぐことはありません。

彼を突き動かすものとは、ただ一つです。

『依頼人』も『ターゲット』も、彼にとってはその為のピースに過ぎません。

宇相吹と本作の通奏低音を改めて強調してくれる構成でした。
それがとても気に入っています。

やっぱり、宇相吹はこれだよね。これぞ宇相吹。



勇人くんの『殺害方法』も、神崎先生のその作画も絶大なインパクトでした。
冒頭と死の間際に回想が活かされた構成も、ここに帰結させる手法として実に秀逸。

擦れ違いと蟠りの果てに、何とも言えない余韻が残りました。

これこそ本作ならではの味です。

前回も書きましたが、この「後味の悪さ」こそ(勿論、誉め言葉です)、
この「どうしようもない現実の悲劇」こそ、
宇相吹正と、『不能犯』というこの作品の魅力です。

無論、それは宇相吹が上記の通りの人間性であることも大きく、
徹底的に冷徹であり、突き放した姿勢で、『第三者の瞳』で見つめるので、
読者が感じる異質な読後感も、徹底した計算の元に創られているとわかります。

これが素晴らしいです。

宇相吹は、ダークヒーローであり、アンチヒーローであり、死神とさえ呼べます。

「頑張ればなんとかなる」と言う主張、作品が多い中、
その対極から冷ややかな瞳と妖艶な笑みで現実を抉り取る本作。

これが実にリアルです。

このアイロニーこそ『不能犯』。



今回のヒキでは、多田さん再登場で、宇相吹も彼について言及を。
思いっきり今後への布石ってことで、ますます期待大ですね。

本作は一話完結(もしくは前後編)で始めての方がどこからでも楽しめて、
尚且つ、縦軸と横軸の興白さもそれぞれ別にあります
から、要注目ですね。

もうすぐ次号も発売で、期待してます。
次回はいつも以上に気になって、楽しみで仕方がないですね。
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