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日刊ハレ Ver2.11

2016年、更新再開です。好きな漫画、特撮、音楽の感想など、無名人の趣味と駄文の遊び場です。

『不能犯』第11話 隠したい過去  

毎月第1・第3水曜日に刊行される『グランドジャンプ』で、
本作は、第1水曜発売号に掲載される月イチ連載の作品です。

前回の掲載が一回お休みだったので、尚の事楽しみでしたね。

長く、じっくりと味わいたい作品なので、今後もプッシュを。
毎回のアンケートは勿論のこと、書店さんともプッシュです。
行きつけの書店に足を運ぶ度、宇相吹のPOPを見つめます。

以下は今回の内容に触れた感想です。未読の方は、ご注意を。



集英社『グランドジャンプ』で大絶賛月イチ連載中!
驚愕のサイコサスペンス! 今、最も恐るべき真実。


その赤き瞳は総てを飲み込み、視界の総てに狂喜する。
依頼人と赤き瞳が交わった時、世界が狂気へと染まる。

抉り出されるのは、欲望か、絶望か、あなたの真実か。



原作:宮月 新
作画:神崎裕也


 能  impossibility defence

11話 隠したい過去





一話完結のスタイルが多く、とにかく構成と魅せ方が秀逸です。
連載を重ねていく中で、時には前後編での作劇もありましたが、
ワンエピソードとしての持ち味と展開が、実に素晴らしいです。

その意味でも、本作は初めての方にも推奨したくなる作品です。

予備知識もなしで、今回から読み始めても、愉しめるのは必至。

そんな魅力が溢れる本作、
それを追い続けた自分が、
特に推奨したいのが今回。

「初めての方にどれか一つエピソードを選べ」と言われたなら、
迷わず第1話か今回を選ぶでしょう。それくらいツボでしたね。



この完成度と魅力は、神崎裕也先生の作画も勿論のことですが、
宮月新先生の原作が大きいところだと、つくづく痛感しますね。

神崎先生は以前から存じ上げておりますし、絵柄も大好きです。

そんな中で、本作を連載開始時から読めて、思い知りましたね。

漫画における原作者の存在と役割がどれだけ重要なのかを……。

今までの感想では、その辺りの言及が少なかったと自覚します。
今後は、そちらの方も、もっと伝わるような記事にしたいです。



それでは、本編の感想へ。

毎回、『不能犯』への依頼人と、被害者の設定、作劇が見事で、
ミスリード、後で明らかになる真の依頼人など、実に秀逸です。

ワンエピソードの中で、いつも捻りや意外な落とし方を魅せて、
ありそうでなかった展開もあり、読者を飽きさせない作品です。

そんな本作で今回の主要登場人物は、ある夫婦と、ある男……。

奥さんには、誰にも言えない秘密、隠したい過去がありました。



私事で恐縮ですが、『デリバリーシンデレラ』愛読者としても、
また、夜の世界に関わっている子の声に触れてきた経験からも、
正に頷けるところでした。実にリアリティーがある作劇ですね。

また、昨今『リベンジポルノ』の問題も深刻になっていますし、
「風俗を辞めた女の子の写真がいつまでも残り続ける」問題も、
同様にネットで記事になったばかりで、実にタイムリーですね。

こちらはGrowAsPeople代表理事の角間惇一郎さんと、
『弁護士ドットコム』の亀松太郎さんによる『女子SPA!』の記事が記憶に新しいところ。

「ありそうでなかった展開」についても、宮月先生に唸らされるところですが、
「ありそうで、本当にあってリアル」な設定、作劇についても宮月先生に脱帽。

今回のエピソードは、私たちのごく身近にあってもおかしくないリアリティー。

それゆえに、人間の欲望、憎悪、嫉妬といった内面まで抉り出す本作らしくて、
上述のように、病んだ現代社会としっかりリンクしているところも秀逸ですね。



正直、オチについては予想できた通りでしたが、それを差し引いても良作です。

冒頭で申し上げた通り、自分が初めての方にイチオシしたい屈指のエピソード。

連載開始以来欠かさず呼んできた中でも、特に気に入っているのがこの回です。



男と女。

心と体。

本音と建前。

絆と契約と脅迫。


手垢が付くほど語り尽くされたきた題材で、ここまで短く、強く纏める構成。

誰もが知り、人生で通って行く題材で、共通言語、共通体験で、この完成度。

これが実に素晴らしいです。改めて宮月先生のリーダビリティーに脱帽です。

神崎先生の作画も、夏美さんが旦那さんに見せる純粋無垢な愛らしい表情と、
裏に潜むもう一つの顔との描き分けが秀逸です。狂気へのスライドもお見事。



相変わらず横目、流し目が堪らない宇相吹。
今回もお約束の決め台詞。実に印象的です。

今回はここで終わりではなく……!

本作のもう一つの縦軸として重要な多田刑事の登場!

矢崎の取調で、このヒキというのが実にニクイです。

一話完結で、どこからでも味わえるのも魅力ですが、
通読している者としては、やはりニヤリな展開です。

宇相吹と多田さんの関係性も、ある意味で表と裏で、
宇相吹が主役であるというのが本作ならではの味で、
ここから、両者がどうぶつかり、絡み合うか期待大!

■BGM

BUCK-TICK
『真っ赤な夜-Bloody-』(from album『memento mori』
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