日刊ハレ Ver2.11

2016年、更新再開です。好きな漫画、特撮、音楽の感想など、無名人の趣味と駄文の遊び場です。

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『仮面ライダー鎧武』第22話「7分の1の真実」  

次々と明らかになる驚愕の真実、
そして沢芽市に迫り来る脅威が、
遂に眼に見える形で現れて……。

緊張感が途切れない展開の中で、
極限状態に。とんでもない展開!

以下は今回の内容に触れた感想となります。
番組をご覧になってない方々は、ご注意を。





ヘルヘイムの脅威に立ち向かうユグドラシルコーポレーション。

沢芽市の人々にも、世界にも、真実を隠して研究してきました。

ところが、市井の人々の眼に見えかねない展開になりましたね。

「とうとう隠し切れない場所にクラックが出現した

そう言って凌馬がキーを叩くと、画面はズームアップして……!

市街地の真っ只中にある橋の上だ」

これまでは路地裏など、目立たない場所に発声してきましたが、
市街地の真っ只中で、しかも橋の上という高い位置に発生……!

なるほど、いつもながら設定の活かし方や作劇が秀逸だと痛感。

人工クラックはさておき、ヘルヘイムから生じるクラックとは、
ユグドラシルが発生も、その位置も、決められる訳じゃないし。

そこで貴虎兄さんの判断は……。

■橋の両側を封鎖すること(市民の通行を妨げ、目に触れさせないようにする)。

シンプルすぎることですが、これしかないのもまた事実ですし、
工事中ということにしておけば、感付かれる心配もありません。

「インベスさえ出てこなければ、そもそもクラックがどういう存在なのか、
遠めで視ている限りは、理解さえできないはずだ」

これも、確かにその通り。撮影したところで解明できませんし、
せいぜい『ジョジョの奇妙な冒険』第5部を連想されるくらい。

本当に問題なのは、クラックを目撃されるということではなく、
インベスの侵略と、クラックとインベスを関連付けられること。

その意味でも、貴虎兄さんの判断は最も現実的なところですね。

貴虎兄さんの言葉に笑ってみせる凌馬。

「クラックの向こう側に立入禁止の札でも提げるのかい?」

「そうだ」
「ヘルヘイム側の入り口に防衛線を張り、インベスの侵略を食い止める」

凌馬に続いて、シドも臆面もなく言い返してみせます。

「悪足掻きにしかならないだろ、それ」

スカラーシステムの使用は、インベスがクラックを突破してきた後からだ」

「ま、責任者は君だから」
「貴虎、最も重大な決断は、君に任せるのが妥当だろう」

そう言って立ち上がる凌馬。

「いよいよ沢芽市を焼き払うしか他にないと結論が出たら……」
君がスカラーシステムのボタンを押すんだ

いつものように芝居がかった口調で、余裕の表情です。
台詞と同じように、貴虎兄さんの背中を指で押す凌馬。

その指を払いのけ、凌馬を睨み付ける貴虎兄さん……。

「ああ」

「安心したまえ。ヘルヘイムの方には僕が自ら赴く」
「君の期待に応えられるよう、頑張るよ」

胸元で拳を作り、ガッツポーズを貴虎兄さんに見せる凌馬。
ここでも、おどけたような、人を小馬鹿にしたような態度。

「湊くん、仕度を」

「はい。プロフェッサー凌馬」

二人は部屋を後にしました。

以前から散々書いていますが、同じプロジェクト同士でも仲良しではなく、
寧ろ、それぞれがそれぞれに腹に一物抱えている曲者の集まりと言えるし、
貴虎兄さんを「プロジェクトリーダー」「責任者」と呼ぶ彼らにとっても、
その言葉は敬称の意味よりも、眼の上のたんこぶのような厭味でしょうし。

シドもそうなのですが、その態度を隠そうともせず、堂々としたものです。

特に今回のシーンでは、耀子さんが返事をして通り過ぎる場面が印象的で、
「プロフェッサー凌馬」と言い終わる場面で、ちょうど貴虎兄さんの背後。

これも当て付けのようにさえ感じられます。彼らの関係性も要注目ですね。

関係性と言えば、ユグドラシルだけではなく、紘汰くんとミッチにも……。



と言う訳で、次の場面はこの二人がクラック発生現場に来たところでした。

紘汰くんの想い、そして行動に、今までのミッチなら賛同したでしょうし、
共に同じ行動を取ろうとしたでしょう。真実を知ってしまう前ならば……。

ミッチも真実を知ったこと、貴虎兄さんの実弟で呉島の人間であることが、
紘汰くんとの意見の相違に繋がり、この二人についても着目したいですね。

「どうやらユグドラシルが橋を閉鎖してますね」
「これなら誰かが近付く心配はないでしょう」


「でも、インベスが出てきたらどうするんだ」
丸見えだぞ。あんなところ

「クラックが自然に消えるまで、そうならないように、祈るしか……」

それで済む訳ないだろう。今度ばかりは、ユグドラシルだって隠し切れない
「そうなったら、連中は……」

「紘汰さん、まさか本当に……」

「ああ、奴らならやる」
いざとなれば手段を選ばない連中だ」

その言葉で、苦々しい顔になるミッチ。

以前に「綺麗事と現実」と書いたことがありますが、
今の二人も、正にその対比と言える関係性だろうと。

ユグドラシルがヘルヘイムの脅威に立ち向かっているのは、わかる。
けれど、その目的が正しくても、やり方には納得できない紘汰くん。

ユグドラシルは非道でそのやり方は許されないと主張する紘汰くん。

そこがミッチとの最大の違い、ミッチにとって歯痒いところですね。

ユグドラシルの一員であるミッチとしては、もどかしい相手であり、
ビートライダーズで最も変化が大きいのは、ミッチなのでしょうね。

それゆえに、この一件に対しても、どうしても消極的な意見になり、
傍観者とまでは言いませんが、積極的な介入をしない方向へと……。

ここで紘汰くんが閃きました。

「そうか! まだ手はあるぞ、ミッチ!」

ここで、奇しくも貴虎兄さんと同じ思考に辿り着いた紘汰くん。

紘汰くんと貴虎兄さん、ミッチと凌馬の対比は触れた通りです。
それをまた思い返した場面でしたね。つくづく巧い構成ですね。

そんな二人が、今回の最後の場面で再び衝突するのですからね。



続いて、ヘルヘイムの森の場面に……。

ここで戒斗くんが登場。紘汰くんに先んじて行動しています。
しかし、その行動は彼らとは全く違って、何やら奇怪ですね。

何かが入った紙袋を道中に置きながら先に進む戒斗くん……。

この白い紙袋もさることながら、彼の両手のバッグも要注目。
この中に、きっと同じ紙袋が沢山入っているでしょうけれど、
単純に、迷わない目印として置いただけではないでしょうし。

何よりも、中身が気になりますね。

中身は四角に見えますし、ロックシードではないだろうから、
これも凌馬が指示して渡したものなのでしょうか。嫌な予感。

「おい、戒斗! 戒斗!」
「あれから連絡も寄越さずに、一体何やってたんだよ」

「貴様らには関係ない」

相変わらずの戒斗節です。

紘汰くんが協力を頼みましたが、
その答えも相変わらずの戒斗節。

ただ、それだけで終わらず……!

「なあ、お前も手伝ってくれ。今、街が大変なんだ」

「どうした? いよいよスカラー兵器の出番か?」

「知ってたのか!?」

思わず驚愕する紘汰くんとミッチ。

「概要は聞いている。奴らの本当の狙いについてもな」

「誰からそれを聞いたんです」

これはミッチとしても訊かずにはいられないところでしょう。

「戦極凌馬という男」

紘汰くんの方を向いて、言葉を続けます。

「貴様も知ってるだろう」

「あいつが?」

「いずれにせよ、どうでもいい」
「俺には他にやることがある」

「何だと!?」
「お前、一体どうしちまったんだよ!?」

「沢芽市もユグドラシルも、森の侵略に怯えるただの弱者でしかない」
俺が立ち向かうべき相手は、より強い者
このヘルヘイムという世界そのものだ!

「冗談言ってる場合じゃないんだぞ!」

より絶対的な力。人間の限界を越えて世界そのものを屈服させる手段
「その手掛かりがこの森にはある」

「戦極凌馬に何を吹き込まれたんですか?」

ミッチのその問いには答えず、言葉を続ける戒斗くん。

「貴様らは貴様らで一刻を争う状況だろう」
「こんなところで油を売ってていいのか」

そのまま戒斗くんは一人で先に進んで行きました。

彼が言う手掛かりとは、言うまでもないでしょう。
前回で触れた通り、写真に写る謎の生物でしょう。

こちらについては後述するとして、次の場面へと。



紘汰くんとミッチは遂にクラックを発見。

そこにはユグドラシルの面々が陣取って、
仮面ライダーマリカと、黒影トルーパー。
先程の話に出たばかりの戦国凌馬の姿が。

「おや? ようこそ葛葉紘汰くん」

「こんなところで何してんだ、あんた」

「ま、要するに目的は同じ……ってことじゃないかな?」

相変わらずの飄々とした態度と口調です。

以前から何度も書いてきましたし、これからも何度でも書きますが、
つくづく青木くんのお芝居が素晴らしいのですね。ツボすぎて最高。

重くなりすぎず、かと言って悪として軽すぎてもいけない役所です。
尚且つ、仮面ライダーとしてちびっ子に対して重大な責務がある役。

その中で絶妙な塩梅、ちびっ子が真似したくなる口調や仕草も多く、
本当にお見事です。毎週、青木くんの出番が楽しみで仕方ないです。

「もしもこのクラックがインベスに突破されたら、あんたたちは……!」

「ああ、沢芽市を見捨てるしかなくなるねえ」
「でも、事を穏便に済ませたいのはユグドラシルも一緒だ」
「だからこうして手を尽くしてる」

襲い掛かるインベスの群れに立ち向かうユグドラシル。

「君にも思うところはあるだろう」
「だが猫の手も借りたいこの状況で互いの利害が一致している」
「ここは一時休戦して……協力しあうべきじゃないかな?」

「そうかもな」
「いいか? ミッチ」

ここでミッチの返答が実に巧いなあと思いましたね。

ここまでユグドラシルが本気で、紘汰くんも加われば守りは鉄壁、
それなら自分は街に戻って、万が一に備えて街の方を守ると……。

紘汰くんがいる前でユグドラシルの面々と関わりたくないですし。

去り際にミッチが凌馬を睨み、凌馬が笑みを浮かべている場面も、
気に入っているところです。こういう細かいところも丁寧ですね。

「頼りにしていいのかしら?」

「とりあえず、今日のところはな」

皆美さんのアフレコも大きな楽しみの一つなだけに、嬉しいです。

かくして、ユグドラシル防衛線に紘汰くんが加わり、共闘の展開。

本来、特撮における『共闘』って非常に燃える展開の一つですが、
敢えてそういう方向にしないで、この後で大どんでん返しを魅せ、
更にサプライズの展開があるというのが、本作らしいと思います。

この段階で仲良く共闘しましょうというのも、時期尚早ですしね。

何よりも、問題はこの後です。



これこそが、今回の最大のハイライトです。

「おい、さっきからあんたは何やってんだ」

「有り合わせの機材を使って、クラックの消滅を早められないか試してるんだよ」

「そんなことが可能なのか!?」

「フフッ、無理無理。できる訳ないって」
「でも嫌な役目を上司に押し付けてきちゃったからね~」
「私も一応ポーズを取って頑張っている素振りを見せておかないと」

「こんなふざけたことしてる場合じゃねえだろ!!」

ここで凌馬の表情が変わります。

今までの道化のようなおどけた態度や仕草、人を小馬鹿にしたような彼から一転。

「あのね、できることとできないことがあるんだよ」

「あんたの研究次第で、この世界が救われるかどうか決まるんじゃないのか!」

「あれ? 以前言わなかったっけ!」
私の研究は既にノルマを達成していると」

「え?」

「戦極ドライバーの量産化だよ」
「あれこそが人類救済計画『プロジェクト・アーク』の根幹だ」

「『プロジェクト・アーク』……!?」

「ほらほら、お喋りしている場合じゃないよっ」

凌馬に背中を押される紘汰くん。眼の前にはインベスの大群!

肝心の話も途中で、歯痒い状況の中で、紘汰くんの出陣です。

『オレンジ!』

『ロック・オン!』

『ソイヤ!』

『オレンジアームズ! 花道オンステージ!』


仮面ライダー鎧武オレンジアームズ、出陣!!

迫り来る大群に対して、勇猛果敢に立ち向かう紘汰くん。
しかしながら、敵の数が多すぎますね。ここで遂に……!

「キリがない! 試してみるか!」

『チェリーエナジー』

『ロック・オン!』

『ソイヤ!』

『ミックス! ジンバーチェリー! ハハーッ!』


仮面ライダー鎧武ジンバーチェリーアームズ、出陣!!

「使える……!」

「ほほう、相変わらず大した適応力だ」

大元のデザインはジンバーレモンアームズと同じです。
ジンバーピーチアームズ、ジンバーメロンアームズも、
共通の意匠なのでしょうね。それにしても格好良すぎ。

陣羽織で、今回はチェリーの模様とカラーが活きる姿。

実に格好良いですし、さくらんぼは打ってつけですね。

気になる能力の方は……超高速!? これは燃えます!

それぞれのエナジーロックシードと付与される能力が、
残る二つも(厳密にはそれ以上か)、気になりますね。

シドの印象から、腕力などのパワー系統かと思いきや、
なるほど、赤い彗星ということですか。格好良いです。

エナジーロックシードとゲネシスドライバーの変身と、
戦極ドライバーとゲネシスコア経由の引き出し方では、
ミックスされることも含めて、違いがあるでしょうし、
この辺りも、今後どう表現されるかが興味深いですね。



凌馬が平然と紘汰くんに『プロジェクト・アーク』を話しましたけれど、
正直、それだけが『プロジェクト・アーク』の総てではないのだろうと、
計画には、まだまだ先があるのだろうと思って、視ていましたけれどね。

しかし、続く場面で貴虎兄さんの反応を視ると、これが総てだったかと。

凌馬が戦極ドライバーやゲネシスドライバーを更に越えるドライバーに、
執着しているのは明らかですが、それも秘密裏に進めているようですし、
貴虎兄さんにも当然話さないつもりだから、別物として考えるでしたね。

飽く迄も組織としての人類救済計画が『プロジェクト・アーク』であり、
凌馬の更なるドライバー開発は、彼個人の野望であり、別の話なのだと。

戦極ドライバーの量産化が人類救済計画『プロジェクト・アーク』なら、
より強固で絶対の安心を得られる『方舟』がそのドライバーでしょうか。

この研究には、当然ながら、写真に写るあの謎の生物も関係があるはず。

『人間の限界を越える力』=『人間という存在を超越すること』ならば、
裕也くんや、初瀬くん、感染した沢芽市の人々、ドライバーを考慮して、
『人間の異形化』であると考えることもできますね。その為の研究かも。

ヘルヘイムの環境下においても食事の必要がなくなるベルトの更に上位、
ヘルヘイムの森の果実の力を『120%』引き出せる人間になれば……。

こんなことを書くと『仮面ライダーカブト』の三島さんを思い返します。



組織としてではなく、戦極凌馬個人としての真の計画とその野望は、
「方舟(量産化した戦極ドライバー)で人類を救うこと」ではなく、
「自分自身がノアを越え、神になること」でしょうから要注目です。




「ベルトを量産すれば世界が救われるって、どういうことだ!」

「私のドライバーはヘルヘイムの果実をロックシードに変化させ
バックルを経由して人体に無害なエネルギーに変換する


「つまり食事の必要がなくなる訳だ」

「これならヘルヘイムの環境下でも人間はインベスになることなく生き延びられる

「総ての人がベルトに頼って生きんのか!?」

「でも、そんなに沢山作れんのか、これ」

最大で10億台が限界……ってところかな?」

「おい……。でも、今の世界の総人口は……」

「そう! ざっと70億人!」
生き残れるのは7人に1人ってことだねえ~」

「何だよそれ!」
何も知らない60億を、あんたたちは見殺しに……?」

「見殺し? そんな甘いことはしない」
「だって先行きインベスになるってわかりきってる連中だよ」
「放っておいたら、生き残った人類の脅威になるじゃないか」

「まさかお前ら……」

「そう。ヘルヘイムが地球を覆い尽くす10年間のうちに、
人類の総人口を7分の1にまで削減する

「ユグドラシルは全世界でもバイオテクノロジーをリードする医薬品メーカーだからねえ」
「一工夫すれば、手の打ちようはいくらでもある」

「お前ら、平気な顔してそんなことを!!」

「忘れたの!? ここでインベスを食い止めないと、
今すぐあなたの街が灰になるのよ!?」



ヘルヘイムの森と果実の秘密、その真の恐怖はわかっていたつもりでした。

しかし、『プロジェクト・アーク』の真の意味と解決策がこれだとは……。

これでは、「最初から人類の7分の6はアウト」という大前提の計画です。

彼らが口にする『人類』とは、「その『7分の1』に残った人間」のこと。

最初から、今を生きる総ての人を救うつもりなど毛頭なかったということ。




ヘルヘイムの本当の恐ろしさを心の底から痛感した事実でした。

正直、ユグドラシルのやり方よりも、そちらの方が衝撃でした。

もう、あまりにもスケールが壮大すぎて、概念の外という印象。
何をどう考えても思考が空しくなる衝撃で、圧倒されます……。

勿論、平然と60億人を切り捨てるのを大前提とした計画には、
恐怖もしますし吐き気もしますし、どうにもできない歯痒さも。

かと言って、このまま手を拱いて視ているだけでは人類は滅亡。

ユグドラシルの考えは納得できませんが、それ以上の策は皆無。

逆に言えば「10億人『も』救える」という言い方もできるし、
「ユグドラシルが完全なる悪ではない」し、寧ろ人類の救世主。

このパラドックスには脱帽です。境界線を越えた真実がここに。

今までDJサガラから緑川博士を感じたりもしていたのですが、
仮面ライダーが境界線を越えた先にある現実を改めて痛感です。

ショッカーから全世界を守り続けた仮面ライダーの行く先とは、
極論してしまうなら、究極的に行き着くのは『自己否定』です。

そもそも改造人間である仮面ライダーの力はショッカーの技術。

『正義も悪も、その力の源は同根』であること。

『その力で戦うことこそ、親殺し』という現実。


石森作品の通奏低音として最早説明するまでもないことですが、
それを本作でここまで露骨に、色濃く見せ付けられるとは……。

その上で『何かを守る為には、何かを捨てる決断が必要』だと、
本作ならではの提起が作品全体を貫く大きな要素だと言えます。

『仮面ライダー龍騎』に通じながらも、また違う問題提起です。

正直、心の底から唸らされました。虚淵さんには脱帽です……。

私的には、車田正美先生の『SILENT KNIGHT翔』も連想しました。

作中に登場する敵の組織『ネオ・ソサエティ』を。

彼らは組織に属する自分たちを『神人類』とみなし、
他の一般人を『旧人類』とみなして抹殺を企てます。



紘汰くん一人で70億もの人々を救えというのも無理な話だし、
ユグドラシルを壊滅させたところで、根本的な解決にはならず、
人類救済としては、却って後退させる結果になってしまいます。

そして、最大のハイライトに続く、真の絶望が今回はあります。

紘汰くんが、裕也くんの真実を知ってしまう時が来ました……。

これこそが『自己否定』に繋がるところでしょう。

「誰かを救う為には誰かを犠牲にしようというやり方なんて納得できない」という紘汰くん。
「その犠牲によって、今まで生き延びられていたという矛盾こそが現実」であった紘汰くん。

人類を救う為に、人類を見捨てよう。
人類を救う為に、人類を抹殺しよう。


それこそがユグドラシルの考えです。

叫ぶ詩人の会『12月8日ジョンとヨーコへ』も連想しました
(ベストアルバム『花束』収録バージョンだけではなく、
どちらかと言えば、アルバム『虹喰い』収録のオリジナル版の歌詩です。ご注意を)。

彼らが痛烈に批判して訴えた歌詩と叫びを。

泣きながら「殺すな」と叫び続けたことを。

改めて聴き返してみて、気付いたのですが、
約20年近く前の作品になるのですね……。


そんなユグドラシルのやり方に、紘汰くんは真っ向から立ち向かいます。

私は紘汰くんを信じています。



紘汰くんとユグドラシルの面々がインベスを倒して、
クラックも塞がり、何とかこの場を耐え凌げました。

「よしっ! 一件落着だ!」

また大袈裟に握り拳を作ってみせる凌馬。

「まさか本当に持ち堪えるとはねえ。お疲れさま」

変身を解除する紘汰くんと耀子さん。

彼の視線の先、見つめるものは……?

「葛葉くんもよく頑張ってくれた」
「君が手伝ってくれなかったら、正直……ちょっと危なかったかも」

そこで紘汰くんが取った行動は……!

なんと、耀子さんのピーチエナジーロックシードをベルトから無理矢理もぎ取るとは!

無論、凌馬のボディーガードとして卓越した身体能力を誇る耀子さんは黙っておらず、
すかさず反撃に転じましたが、紘汰くんは腕を掴まれながらも横から蹴って逃げます。

このアクションシーンも圧倒されました。僅かな時間で実に見事な迫力と緊張感です。

「あんたらとはこれまでだ!」

はっきりと宣言すると、黒影トルーパーを薙ぎ倒して走り抜けました。

再び変身して、サクラハリケーンで、彼自身の『目的』に向かいます。


後を追いかけようとする耀子さんを、余裕のままで制止する凌馬の声。

「待ちたまえ」

「しかし、あの方角には我々のクラックが……!」

「本部には貴虎がいる。どうとでもなるさ」



「ここからは俺のステージだ!」

「ユグドラシル! もう絶対許さねえ!」


黒影トルーパーの軍隊を物ともせず、一気に駆け抜ける姿が堪らなく格好良いです。
正義の心を燃やして疾走する姿が堪りません。正しく私が憧れた仮面ライダーです。

佐野くんと皆美さんの素面のアクション、続いて変身後のバイクアクションもあり、
更にユグドラシル内部の通路でのアクションも続き、そのどれもが素晴らしいです。

狭い通路でのアクションも、立ち回りや撮り方が工夫されていて、高岩さんも最高。

今年の石垣アクション監督の味付けも、非常に私好みで堪らないものがありますね。



(街ごと吹き飛ばせるような兵器でも、制御室をぶっ潰せば使えなくなるはずだよな)

黒影トルーパーを一人ずつ確実に倒して、確実に制御室に近付くところが燃えます。

以前は、逃げる為にここで戦いましたが、今回はその逆の反撃の時だから尚更です。

そこに、貴虎兄さんが立ち塞がりました。

「何をしに来た」

「スカラーシステムとかいう奴をぶち壊す!」

「言ったはずだ。ユグドラシルは人類の最後の希望だと」

「戦極凌馬から聞いたぞ! 『プロジェクト・アーク』とかいう戯言を!」

「凌馬め……。余計な真似を……」

「あんたらのやり方は絶対に許せねえ!!」

「誰に許されるつもりもない」
「その罪を背負って、我々は未来を切り開く」

「変身」

『メロンエナジー』

『ロック・オン!』

『ソーダ!』

『メロンエナジーアームズ!』


仮面ライダー斬月・真メロンエナジーアームズ、出陣!!

『レモンエナジー』

『ロック・オン!』

『ソイヤ!』

『ミックス! ジンバーレモン! ハハーッ!』


仮面ライダー鎧武ジンバーレモンアームズ、出陣!!

二人が再び激突!!

「あんたは本当に、街のみんなをボタン一つで皆殺しにしようとしてたのか!」

「当然だ!」
沢芽市の総人口は20万。だがこの先10年で、我々はその3万倍を抹殺することになる」
「初めの一歩としては、寧ろ小さすぎる数字だ!」

何の罪もない人たちを大勢見捨てて、何が未来だ! ふざけんな!!」

「どんな決断にも犠牲は付き物だ! その程度のこともわからないガキなのか貴様は!」

「犠牲だと!?」

「そうだ!」
「ビートライダーズによる人体実験。その結果として死んだ初瀬亮二。総て同じことだ」
「みな、希望の為の礎になった!」

「冗談じゃねえ!!」
「犠牲と引き換えに希望なんて、冗談じゃねえんだよ!!」


怒りの猛反撃で仮面ライダー斬月・真を圧倒していく仮面ライダー鎧武。

「そんなものはただの絶望だ!!」

ここで圧倒してみせたかと思いきや、貴虎兄さんは笑ってみせました……。

「何がおかしい!」

「葛葉紘汰! 既にお前は犠牲によって救われている
「まだ気付いていないのか」

「何のことだよ!」

変身を解除してみせた貴虎兄さん。そして、彼はPCのデータを開いて……!

次世代遺伝子工学研究部
Next Genetic Code Technical Labo

研究記録

記録再生

subject No,1006
Case File 167




「裕也……?」

「あの日の出来事は総て、調査隊のカメラが記録していた」



森に迷い込んだ一人の青年。



手にした果実。



口に含んだ瞬間……!




「覚えているだろう? お前が初めてアーマードライダーとして倒したインベスを」

「裕也……。そんな、まさか……」



「咎めはしない。あの時戦っていなければ、お前たちも殺されていた」

「俺は……。俺は……」



「かつてお前は、友人の命を犠牲にして希望を掴んだ」

「その行いを否定するのなら絶望するがいい」

「あの時、守り、救った命と、生き延びたチームにな」




あまりにも残酷な真実。その衝撃にくず折れる紘汰くん……。



遂に知ってしまいました。

正直、もう少し先になるかと思っていたのですが、
いずれにしても、避けて通れない展開ですね……。

熱く燃え滾る堅い決意でユグドラシルに乗り込み、
ここで突き落とされる最悪の展開になるとは……。

しかし、これはより高く跳躍する前の一歩ですね。
その為に、一度足腰を低く屈める段階ですからね。

次回にはカチドキアームズが控えていますからね。



次回予告も衝撃的でした。


■写真に写る謎の生物

「知性を備えたインベス」と凌馬が口にしたのは、間違いなくこの生物ですね。
前回で「インベスの進化系なのか、あるいは逆に始祖なのか」と書きましたが、
公式サイトを拝見して、なるほどなと。今後、ますます見逃せない展開ですね。
『オーバーロード』という名称も、特撮者なら瞬時にニヤリとしたところかと。
『仮面ライダーアギト』のアンノウンで、上位のエルロードを連想しますねー。

しかも第1号の声を演じられるのは杉田さん! バンザイ! キバって視るぜ!

知性を備えているという点からも、言うまでもなくより上位の存在でしょうし、
オーバーロードを倒すことが、ヘルヘイム崩壊に繋がるとすれば、希望も……。

正に『国取り合戦』ですね。

オーバーロードを倒してヘルヘイムを崩壊させるか、
オーバーロードの力を手にして地球を支配するのか、
そこで各々の相違と衝突がある展開なのでしょうね。

■カチドキアームズ

今年は、特撮誌も含めて、なるべく事前に情報を視ないようにしてます。
雑誌は買うだけ買って、なるべく本編登場『後』に視たいスタンスです。

とは言え、雑誌は表紙からして既にバレバレなことも多いですけれどね。

そうやって味わうと、また格別の美味しさがあると、本作から感じます。

ちらっと視てしまった範囲で言うと、武器の形状と名称からもニヤリで、
そこからしても、新アームズの展開は間違いなくサガラの助力でしょう。

兜とクラッシャーの形状の進化が堪りませんね……。格好良すぎる……!

早く動いているところをお目にかかりたいものです。高岩さんに期待大!



またしても周回遅れにつき、最新話封印中の有様です。

と言う訳で、今回はこの辺で。今日中に次を視るぞー。
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コメント

紘汰の、何も考えずに代案も出すことをせずただ全ての人を助けたいというのは甘い考えだと思うし、プロジェクトアークも人類を救う為なら致し方ないものだと思います。
今回の話では、ピーチエナジーを盗んだ瞬間「これは今回の報酬でいただくぜ」ぐらい言ってもらわないと評価が下がるなと感じました。
ミッチが舞たちをシェルターに連れてきた時に他のダンスグループが居なかったのは彼自信が失っても構わない存在なのではとおもいました。
最後に、貴虎が裕也の映像を見せたのは、負けそうになったからヤバいと思って見せた風に見えました。
長文失礼します

ラケル #- | URL
2014/03/23 21:51 | edit

Re: タイトルなし

>ラケルさん

レスが遅れに遅れてしまい、本当に申し訳ありません。

仰ることについては当然ながら次の感想記事で触れるつもりでした。
その本文で、返信としてもよりわかりやすいものにできればと、
そう思っていましたが、感想そのものも遅れに遅れている有様です。

ここで一つ申し上げますと「人類を救う為なら致し方ない」というのは、
作品の外の視聴者の側(絶対に助かる)だから言える言葉でもあると思うのですよね。

我々が沢芽市の住民だったら、あるいはビートライダーズだったら、
そう思って想像を膨らませ、あるいは感情移入して視ると、
私はとてもそう簡単には割り切れないというのが本音です。

また感想で掘り下げてみたいと思っています。

最後の貴虎兄さんについては、良いご指摘だと思いますね。
あれほど心理的な大打撃を与えられる策もないですしね。

如月 #ksMIDlhw | URL
2014/04/03 10:05 | edit

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