日刊ハレ Ver2.11

2016年、更新再開です。好きな漫画、特撮、音楽の感想など、無名人の趣味と駄文の遊び場です。

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『東京喰種‐トーキョーグール‐』#071[二人]  

待ちに待った最新話であり、
大快挙の『本誌表紙』の今回!
勿論『巻頭カラー』も本作です。

グラビアアイドルが表紙のメインを飾ることが大半ですので、
巻頭カラーとダブルでヤンジャンの顔として君臨するのは最高!
連載初期から愛読している者には、喜びも一入で嬉しい限りです。

表紙&巻頭カラーと言えば、
最近では『テラフォーマーズ』(本誌12号参照)。
昨年ですと『リアル』も(昨年の本誌53号参照)。
その前は『キングダム』(昨年の本誌27号参照)。
そして『ZETMAN』(昨年の本誌18号参照)。
「雑誌全体としてヤンジャンそのものが大好きな自分」としても嬉しいです。
ともあれ「嬉しくて仕方がない」ところで、もうひたすら見つめて万歳です。

やっぱり「毎週漫画雑誌を読める喜び」って大きいのです。
「編集さんの想いや熱さ」も感じて燃え上がりたいですし、
折角『週刊』ですから、その熱さに乗らない手はないかと。

こうして『毎週感想を書く』こともその一貫でもあります。

やっぱり『本気』で先生や編集さんに応えないと失礼かと。
その熱の相乗効果が、ひいては漫画シーンの隆盛に繋がる。
私はそう信じてます。結局、恩恵は読者に巡り来る訳だし。
少なくとも、お金を出さない泥棒は読者とは言えませんし。
お金を出さない泥棒に、作品を批判する資格はありません。
例えるなら、選挙に行かずして政治に文句を言うのと同じ。
意見とは、最低限のスタートラインに立ってから言えます。

本作が、本誌が、そして現在の漫画シーンが良くなるなら、
私は喜んでお金を出しますし、応援し続けていきますよん♪

と言う訳で、ファンなら迷わずゲットされるのを推奨。
後悔先に立たず。迷ったのなら、欲しい証拠ですから。

『東京喰種週報』については散々触れてきていますが、
そちらを差し引いても、今回の『本誌』は永久保存版!

無論、それらの両方を差し引いて考えたとしても、
連載初期から、本誌は総て保存していますけれど。
アオリ文や柱文は勿論のことですが、加筆前だし、
後からコミックスと見比べるのがまた愉しいです。
シマダヒデアキさんのレイアウトも最高ですしね。
もう本誌が単行本状態で、いつか整理したいなと。

毎週、本誌を購読しては白熱して夢想できる喜び。

そして、それが単行本になる嬉しさと来たらもう。

石田スイ先生に、ヤンジャンに心から感謝します。

ああ、bagus(素敵)。



以下は、今回の内容に言及した感想文となります。
本誌を未読の方は、ご覧になりませんように……。



壊れていく日常。

壊れていく世界。

壊れていた現実。

「当たり前の日常」すら、幼い二人には得られない。

隠れて、
晒され、
壊れて、
別れる。

死に至る傷が語り出す冷たい灯火。
今にも消え入りそうな弱い光……。

少女の命は今にも消えかけている。

揺れて、揺られて。

夢に、遊迷の中に。

泣いても、届かない。

叫ぶこともできない。

誰も来ない。

少女は独り。

誰も助けになど来ない。

今、命が潰えるその時。




コミックス第1巻早11刷! 既刊続々大重版! 勢いは止まらない!

『週刊ヤングジャンプ』で大人気連載中!!

コミックス第7巻は4月19日発売予定!!

東京を、日本中を席捲する衝撃の問題作!!

第三の瞳を開け。

真実を見つめろ。

疵だらけの  。




東 京 喰 種
トーキョーグール


#071[二人]

石田スイ
isida sui



今回は、何よりもまず表紙の感想から書きたいところ。
真っ先に、こちらに触れない訳にはいかないでしょう。


カネキくんが最高に格好良い!

黒と赤が活きたカラーリング、
トーカちゃんの黒髪との対比、
そして二人の瞳が印象的です。

燃えるような瞳、哀しい色彩。
読者の各々が、色々と感じて、
思うところが多々あるかなと。
正直、これだけでも泣きそう。

その構図とバランスが秀逸で、
主人公とヒロインの関係性も、
未読の人にも、伝わるかなと。

見れば見るほど、ときめきが!

これだよ、これ! これが漫画雑誌の表紙だよね!
眼が合った瞬間に、思わず息が止まりましたものね。

正に今のカネキくん、新しく生まれ変わった今の姿と、
トーカちゃんが並んでくれて、心の底から感激しました!

この時まで、カネキくんを信じてきて本当に良かったなと、
改めて痛感しました。改めて本誌もずっと大切にしたいなと。

また、二人の間にある縦書きの一文が鮮烈で格好良いですしね。
その色も級数も、勿論言葉も個人的に気に入っているところです。
なるほど、この一文をこの色で配置するとは、これはやられた……!
つくづく、シマダヒデアキさんのレイアウトとデザインには脱帽……。

更に、その一文の末尾のダッシュと読点に、別の一文が交わるのが秀逸。
横書きで、右上がりの斜めで別の一文があり、こちらはお馴染みのケース。
こちらは黒い文字を紫で縁取られていてニヤリと。王道のフレーズが良いね。

その下には、言うまでもなく我らが石田スイ先生のお名前と本作のタイトルが。

黒と紫と赤は、自分も感想記事で好んで使ってきた色ですし、しっくり来ますね。
思わずときめいたところです。本当に格好良いこの表紙も大切にしたいと思います。

将来的に画集の発売も強く希望してますが。と、この機会に便乗しておきますがが画!

ともあれ、絶望の底で苦しむカネキくんを信じてきた読者だけが味わえる感動でしょう!



そして、巻頭カラーも素晴らしいですね。
以前の記事で、コミックスのカバーにも、
折り返しの部分に、本誌の巻頭カラーが、
活かされると予想して、書いたのですが、
今回の扉ページも、そうなるかと期待を。

ちなみに、上記の記事とはこれのことで、
月山がソロで扉ページを飾った回ですね。

『東京喰種‐トーキョーグール‐』#037[晩餐]参照)

カネキくんと亜門さんの扉ページや(『東京喰種‐トーキョーグール‐』#026[対者]参照)、
什造の奇妙が足りすぎたあの回など(『東京喰種‐トーキョーグール‐』#050[万丈]参照)、
コミックスのページの『中』に収録された巻頭カラーもありますが、
今回のこの二人の構図からしても『外』の方ではないかなと予想を。

それにしても、完膚なきまでにやられました……。

あの素晴らしい表紙に続いて、二重のリンクとは!

男女の対比、
色彩の対比、
現在と過去、
それらが見事に表現された二枚のカラーイラスト!
素晴らしい! 見れば見るほど味わいが増します。

蒼と赤も対比に巧く活かされているのも流石です。

冷たく孤独な少年の表情を象徴するような蒼……。

灯火の中でも同じく笑顔のない顔でいる彼女……。

同じ家に住みながら、壁一枚隔てて交わらない姿。

中でも、アヤトくんがいる部屋も特筆すべき点が。
白と黒の床が何とも暗示的で秀逸なところですね。
まるでオセロをひっくり返されるように弱く脆く、
裏切りや人間と〝喰種〟の壁を連想させますしね。
そして、その両方の色と蒼の少年の総てに血液が。
この色合いがまた何とも言えず、唸らされました。

本誌の表紙は熱くて、格好良く、そして凛々しく、
扉ページは、冷たく、儚く、この対比に脱帽です。

また時が経ってから、こちらを振り返ってみた時、
違った印象を抱くかもしれません。それも楽しみ。
本誌を購読して毎週の連載を楽しんでいきながら、
また再読したり、一つ一つの出来事を思い返して、
噛み締めたいと思います。素晴らしい絵に感謝を。

そして、素晴らしい大快挙おめでとうございます!
今後も、ますます応援の熱が入るというものです。



さて、本編の感想に。

矛盾すると思われるのかもしれませんが、
本作が本誌のどこにいても価値は同じで、
私にとっては変わらず大好きな作品です。
今までもそう思って感想を書いてきたし、
これからもずっと応援していきますから。

まあ、それにしてもカラーの感想だけで長くなりましたね(笑)。

嬉しさのあまり、ついつい、ってことで。



前回の回想、そして現在の二人の姿から、
今回もまた、回想の続きが描かれました。

なるほど、冒頭から実に巧い構成ですね。

既にお父さんは、やられた後の展開……。

そこを敢えて直接描かず、先を描くとは、
これは良かったと思いますね。秀逸です。

そして、前回の途中で登場した捜査官も、
ここで、こうして普段の職務の描写です。
政府組織としても当然のことなのですが、
警察に極めて近い、というか同じ類です。
こういった捜査、聞き込みも好きですし、
何気ない一言が、後に活きたりもするし、
自分にとっては、味わい深い場面でした。

ここで早速、興味深い話題が出ましたし。

『赫子』については連載初期から魅力的な要素の一つで、
新しい『赫子』が出る度に、予想や感想を書きましたが、
そこに来て、篠原さんから什造への『特別講義』があり、
あの回で読者の理解が一気に深まったのは印象深いです。

そして、今回触れられたのは〝幼い喰種〟の『赫子』について。
読者は今までにヒナミちゃんの『赫子』を見てきている訳です。
ゆえに、これまでに指摘して然るべき点で、お恥ずかしい限り。
先生は充分にフェアです。前例をはっきりと描かれた訳ですし。

子供だと『赫子』を出せない理由として、考えられることは、
フィジカルの問題より、メンタルの問題が大きいでしょうか。
肉体の構造や各種器官、『食料』自体は親と同じですからね。

私的に換言するなら『精神的なきっかけ』かと。
つまり、『心のスイッチ』とでも言うべきかな?

意識的に、あるいは精神の昂ぶりで『Rc細胞』が『体外』に放出される訳ですが、
『Rc細胞』がそのように放出される機会、つまりは危機的状況や怒りがなければ、
『子供に危険を犯させず、親が食料を与える』場合なら、尚の事そうでしょうね。
そして二人の『お父さん』も笛口リョーコさんもそうでした。泣けるところです。

カネキくんも、ある意味で連載当初は〝喰種〟としては「なりたての赤ん坊」で、
西尾との戦いや、トーカちゃんとの稽古の時に、丁寧に描かれてきたことですが、
『赫子』を自由に出し入れできる感覚を体得するには、まだ程遠かった訳ですし。

それを思うと、万丈さんが『赫子』を出せないという理由も、見えてくるような。

この捜査官二人の会話もまた、それぞれのカラーが如実に現れていて良いですね。
篠原さんが顔をポリポリ掻くのも、今までのそれを思い返してニヤリとしました。
当時の篠原さんの階級から、組織のコンビについて解説された回を思い返します。



そして、幼い二人の場面に……。

何とも切なく、心苦しい場面ですね……。
淋しさの中で、寄りそうこの二人が……。

自分は所謂鍵っ子ではなかったのですが、
親といない時間は今も昔も長いですので、
当時を思い返して共感を覚えたりも……。

今より子供の頃の私とよく似た顔だなと。
どっちがどうなのかはご想像にお任せで。

ここで、佐藤のおばちゃんに見つかりますが、
保護されて安堵、という展開には当然ならず。
二人からすれば、騙されて試された訳ですし、
これは、本当に人間不信にもなるよなと……。

前回の感想で書かずに、次に譲るとしたのは、この佐藤さん。
彼女もまた〝喰種〟であった、という展開はないだろうなと、
そう思っていましたが、殺される可能性は考慮していました。

上記の捜査官の聞き込みは、警察のそれと同様のものですが、
この場面は、表に出にくい家庭内暴力を想起させられますね。

それでも、例え対象が『子供』でも、人間こそが『正義』。
それがこの『東京』、この『世界』。二人には地獄ですね。

思えば、『佐藤』は『日本で一番多い名字』で有名ですし、
それも作劇の意図かなと。そう思って読むとまた怖いです。

人間の食べ物を拒否したこころで、〝喰種〟だと確信され、
そこから間髪入れずに、捜査官二人が襲い掛かってきます。

それにしても、『赫眼』と『赫子』の発生を確認する前に、
捕獲しようとする場面は、正直堪えるものがありましたね。
尤も、一般人や捜査官からすれば、そんな余裕も暇もなく、
生命の危機だと思うのが当然ですから、無理もないですが。

そう、網で捕獲された瞬間に、
この時に、彼女の瞳に変化が!

この場面で『〝喰種〟対策法』12条1項を思い返しましたけれど、
順番はどうであれ、ここで遂に〝喰種〟の正体が、『赫眼』が……!

そして、幼い彼女の背中から『赫子』が発現! 捜査官に直撃……!

虚を突かれた捜査官! その隙に弟の手を引っ張って逃げ出す彼女。

生まれて初めての裏切りに、
生まれて初めてのピンチに、
ここで〝喰種〟の力が……。

生まれて初めての『赫子』。

何とか免れましたが、読んでいてもう気が気じゃないですね。
この緊迫感も本作の醍醐味ではありますが、切ない悲劇です。

どうか、この二人が無事でありますように……と、
現在の二人を知っていながら願ってしまうくらい。

この僅かなページ数で、これだけの濃密な作劇や、
それぞれの関係性、脅威の侵食を見事に表現とは、
つくづく石田先生の手腕、構成力に唸らされます。

それにしても、つくづく皮肉な因果関係だと痛感。
二人のお父さんは、真戸さんに見つかってしまい、
彼女が成長して、彼に復讐したことになりますが、
その事実を『お互いが知らない』訳ですから……。

前回から気になっていたことをもう一つ挙げると、
『霧嶋』の姓(戸籍)はいつ、どの時点で、誰が手に入れていたのかなと。
二人のお父さんの時点でそうだったか、お父さんの親の時点でそうなのか。

前回の感想から字の文(本編)では一度も『霧嶋』の名前は出ていません。

佐藤のおばちゃんは、「トーカちゃん」と「アヤトくん」を名前で呼んで、
お父さんは「ニイちゃん」と呼ばれた場面はあるので、尚更気になります。
柱文では『霧嶋』の名前が出ていますが、こちらも着目したいところです。



ひとまず離れたところで、
二人が『赫子』について、
それぞれ不安そうに……。

力の特性はおろか、存在そのものが、幼い二人にはわからない訳ですから、
ただ『怖い』という感覚しかないのでしょう。この場面も突き刺さります。

それを思うと、〝喰種〟の親が子を育てていく中で、この点も難題ですね。
性教育を受けるように、成長する過程で学ばなくてはいけない大事なこと、
そうでありながら、教えれば教えるほど、人間との壁を痛感させる訳です。

異形の怪物であることを受け入れ、人間を餌として見下して殺していく者。
異形の怪物であるとわかりながら、人間社会の中で生き延びたいと願う者。

この隔たりが見事に描かれた回とも言えます。それも実の姉と弟を通して。

ここで、アヤトくんがチュンタのことを口にしますが、
彼女は咎めます。先に行こうと促すのが泣けます……。
鳥について散々書いてきた中でも、特に切ないですね。

前回で書かずに、次に譲るとしたことのもう一つでは、
チュンタを小屋から出して撫でて可愛がっている時に、
うっかり家の外にまで飛んでしまうのじゃないかなと。
そして、見つけたところで捜査官と遭遇する展開……。

結果的には、どちらにしても逸れてしまうのが切なく、
また、冒頭の聞き込みと絡めたこちらの展開の方こそ、
流れも良いので、その辺りも先生の構成で正解だなと。



ねぇ
お姉ちゃん
お父さんは…

きっと
大丈夫だよ

お父さん
ドンくさいけど
しぶといから…

人間みたいに
生きるんだって
言ってたけど…

人間と
関わらなければ
こんなことに
ならなかったのに…

――足…
いたい…

おんぶして
あげる



…重くない?

ううん

お姉ちゃんだから――

     守ってあげないと――

              私が――



                    アヤトを――

                   …………




この場面で号泣しました。



前回のお父さんとのふれあいを思い返し、更に涙が。

………

大きく
なったなあ

母さんに
見せて
やりたいよ

よいしょ

トーカ
お姉ちゃん
だから

アヤトに色々
教えてあげてね

アヤト

お姉ちゃんが
困ってる時は

お姉ちゃんを
守ってあげるんだよ



約束だよ

      うん!




優しくあたたかいお父さんの言葉の意味を、切なる想いを、
お姉ちゃんも弟も、きちんと理解できて守っているのです。

前回も再読したら、更に号泣。もう言葉になりません……。





それから、どうなるのかと思えば、
数年後の霧嶋姉弟、成長した姿が。

冒頭から度々触れてますが、つくづく今回の構成は秀逸!
敢えて断片的に見せることで、悲劇も際立っていますし、
そして『回想』であることが活きた構成ですから、流石!

ここで月山と対峙ですか。これもまた実にニクイですね。

二人が戦ったあの回、あの時の月山の台詞が蘇りますね。



フッ…
君にしては 随分
優しいじゃないか

君らしくない
…というか…

丸くなったのかな

昔の君は…

もっと
鋭利なナイフの様に
研ぎ澄まされていた

あの時の
実力であれば

さっきの
一撃…

僕も言えるのに
10秒はかかった
筈だよ



あの時
君は14歳…

僕は…18か

水晶の
一片のように
突き刺さる――

冷たい
あの瞳を――


僕は…
忘れられない



霧嶋さん…

あの時の
君の冷たさは
素晴らしかった

だが今は
駄目だ

〝何か〟が

君の瞳に
熱を灯して
しまった



残念だよ

霧嶋さん

そんなもの君に
必要なかった

…ディナーの
邪魔だ

『東京喰種‐トーキョーグール‐』#042[掻爬]より)

月山が口にした『あの時』とは、この頃でしたか。
弟も、そして彼女も荒れていた頃なのでしょうね。

月山の台詞の『同胞喰らいの美食にふさわしい相手』も興味深いですが、
この二人がこうして出逢って一戦交えたことこそ、何よりも重要ですね。

正に『moderate』なタイミングで、見事に回想に活かされました。

無論、先生の構想は随分前から練られていたことでしょう。
コミックスや本誌を再読する度に、それも伝わってきます。



そして、場面は打って変わって穏やかなな「あんていく」へ……。

三週くらいで描いても良いような濃密なボリュームですが、
一話でこうしてテンポ良く描かれるのは素晴らしいですね。

悲惨な展開が立て続けにある中、芳村マスターのご登場で、
ここで安堵できた自分がいます。現在に近づく感覚と共に。

当然のことですが、当時から芳村マスターの方針は同じで、
それに対して『当時と違って粗暴』な彼女が際立っていて、
この二人の会話も、味わい深く重要な場面だと思いました。

――月山くんと
二人がかりで
引き分けたとか

まったく
無茶をする…

うるさいな

〝喰場〟や
お互いの骨肉を
奪い合うような
生き方は

いずれ限界を
迎えるよ

アヤトくんも
最近は輪をかけて
暴走気味だと
思わないかい?

………

そこで提案
なんだけど…





現在の彼女を先に知っている読者からすれば、思わず笑みを浮かべられる、
そんなあたたかい場面であり、あたたかく優しい、何とも『粋な提案』が。

今回の『回想』で、唯一のあたたかなエピソードがこの位置に、
そして『芳村マスター』との場面で描かれたのは重大な点です。

正に、ここが彼女の分岐点であり、
ここから彼女は少しずつ変化して、
そして運命の青年と出逢ってから、
心に灯火が宿っていったのですね。

ただの人間でありながら、望まずして突如〝喰種〟に『なってしまった』青年と。
〝喰種〟として生まれ、人間に裏切られても人間社会に『足を踏み入れた』少女。

それぞれの想いと運命が交錯するまでに、
混沌とした時の中で、それぞれの人生が。

改めて振り返ってみて、涙したところで、
同時に、この二人の邂逅は必然だったと、
出逢うべくして出逢ったと改めて痛感を。

この「あんていく」こそ、
正に彼女の『家』であり、
彼女の『学び舎』であり、
芳村マスターは、正に育ての『親』であると、実に良く伝わってくる名場面です。
そして彼女にとっては、その後に『職場』にもなったという事実が大きいですね。

幼い少女が人間社会で生きていく中、また人格形成においても大切な場所ですね。

『霧嶋』の戸籍はそのまま使った訳ですが、思えばそれもそのはずです。
イトリちゃんの台詞にあったように、彼女もまた想い入れがあるはずで、
大切なお父さんの名前から偽名に変える理由もないですから、当然です。

そして、彼女の質問もご尤も。
ここで、更に粋な計らいです。

結果、看板娘になりましたし。

西尾の雇用も彼女と同じ形で、
こうして関係性が変わったり、
人生の中のきっかけとしても、
「あんていく」は大きいなと、
改めてしみじみと感じました。



この場面の後、『回想』がそのまま続かず、
その台詞は『回想』の言葉でありながらも、
『現在』の二人が描かれるのも秀逸ですね。

そこでの二人の会話がまた……。

この時点で既に擦れ違いが……。

以前のアオリ文にあった『誤謬』という言葉も過ぎりました。



そして、『回想』では学校に通う彼女の姿が。

ここでのアヤトくんの台詞は確かに真実です。

そして、奇しくも、かつての西尾も近い発言をしていました。
カネキくんの甘さを指摘、ヒデに対して警戒も口にしました。

今の西尾を思うと、この少年の未来も願わずにいられません。



次の場面では、四方さんが現れました。
つくづく、構成が上手だと痛感します。

徐々に現代に近づいていく構成の中で、
もう現在の髪型なのもポイントですね。

トーカちゃんがカネキくんと出逢う前、
アヤトくんがタタラと出逢う前ですね。











………

…どこで
何やってんのよ



――母さん…

――父さん

『赫包』に
ダメージ与えりゃ

『赫子』も出せなく
なる…

お前は指咥えて
見てりゃ
いいんだよ


………

じゃあな


アヤト…

お姉ちゃん

一人に

しないで…




しないよ



決裂した姉と弟の絆に、
絶体絶命。灯火の最後。

その刹那、少女は翼に抱かれて護られる。

この時を待っていたんだ。ヒーロー到来!




心の底から燃え上がりましたよ!

これ以上ない最高の展開が遂に!

今回のサブタイトル『二人』、ここに結実した訳です。
返す返すも、実に素晴らしい『構成』だと脱帽ですね。

表紙のカネキくんとトーカちゃん。
巻頭のトーカちゃんとアヤトくん。

本編で親と逸れたお姉ちゃんと弟。

喰種捜査官の篠原さんと真戸さん。

育ての親の芳村マスターとの邂逅。

そして絶望から這い上がった男と。

他人に通報され裏切られ、
他人と出逢ってぶつかり、
他人と出逢って匿われて
他人と再会して救われる。

この一話だけでも、構成の妙味を思い知らされるところです。

前回の『回想』では、弟と共にお父さんに抱かれて、
今回の『地獄』では、遂に現れたヒーローに護られ、
前回と今回の展開は、私にとって本当に堪りません。

蛇足ながら、ひとつ続けますと、
前回の繋がりの他に、ここにも。
アヤトくんとトーカちゃんの「ト」について以前触れましたが、
トーカちゃんとカネキくんも「カ」の繋がりがある引力が素敵。



今のカネキくんなら、決して負けることはないと信じています。
そして〝喰種〟の哀しみ、人間の醜さを痛感してきた彼ならば、
闇に囚われた弟のことがわかるでしょう。その辺りも期待です。
今のカネキくんは成長して、本当に強くなって嬉しい限りです。

ここで、最早恒例となった見取り図を掲載しようかと思います。
前回は本編の内容を鑑みて敢えて省きましたが、今回はもうね。
今後も、それぞれの勢力が凄まじい展開を魅せると思うと期待!

-------------------------海-------------------------

■アジト離れ(『拷問棟(プレイルーム)』)
 什造がヤモリを殺害、遺体を引き摺りながら移動 

■アジト離れ(ヤモリの独房)
 カネキが万丈たちと合流、再会

■5棟           ■6棟     ←■7棟          ■8棟
 CCG・アオギリ交戦中   四方チーム(四方&ウタ&月山)
 強力な〝喰種〟の反応    カネキ救出へ向け
               [離れ]に移動中

               四方チーム(トーカ&西尾)
               別ルートでトーカとアヤトが戦闘
               
               カネキがトーカを救出!

■1棟(制圧済み)     ■2棟(制圧済み)→■3棟(ほぼ掃討完了) ■4棟   ■大ホール
 CCG           CCG壱隊が3棟から4棟に侵攻中に、
               〝隻眼の梟〟と遭遇
               篠原・黒磐・平子・13区上等以上が残り、
               〝隻眼の梟〟と戦闘開始

               ※千之・亜門・美郷は7棟へ                 
                                     芳村チーム
                                    (芳村&入見&ヒナミ)
                                     4棟から情報感知、伝達  
                                     芳村が単独行動開始
                                     

-------------------------森-------------------------




長文になりましたが、反省せずに、ますます私は燃えております。
これからの展開、覚醒して這い上がったカネキくんの活躍に期待!

二周年記念企画も何かしたいですが、今回の一件で何か企画など、
できたらと思ったりも。いずれにせよ、更に盛り上げたいですね。

そんなことも想い、Gargoyle『影王』を聴きながら書き上げました
(歌詩と含意がわかる方は、一緒にほくそ笑んでくださいませ)。

それでは、また次回に。
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2013/03/24 18:22 | edit

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